さくま歯科クリニック: 2008年7月アーカイブ: コラム

2008年7月30日

検診シリーズ④ 「歯ブラシ1本で虫歯が防げる?」

 

 検診でお子さんなどで虫歯が見つかったときのお母さんの反応は様々です。前回述べたように、こち らに冷たい視線(?)を送られるかたもいれば、「いつも、仕上げ磨きを一所懸命しているのに…。」とご自分を責められるお母さんもおられます。でも、そんなにご自身を責めないでください。厳密に言うと、歯ブラシ1本ですべての虫歯を予防することは不可能です。

 そもそも虫歯ができるところは決まっています。①かみ合わせのしわのところ、②歯と歯の間、③歯の際の部分の3ヶ所です。

  1枚目 jtrim小400-400.jpg  ③の歯の際の部分は歯ブラシでも汚れは取れるのですが、①と②の部分は歯ブラシの毛先のほうが太くて歯ブラシだけでは、汚れは十分に落ちません。ならば、どうすればよいのでしょうか。①のしわの部分は、汚れが入らないように、その溝の部分を樹脂を流し込み埋めてしまうという方法があります。これを「シーラント」といいます。詳しくは、このHPの「歯の病気」の「むし歯」のところをご覧ください。要するに歯のでこぼこを埋めてしまい汚れが貯まりにくくするということですね。②の歯の間は糸楊枝、つまり「フロス」を使って汚れを落とすことができれば理想です。なかなか難しいかもしれませんが、前歯、奥歯ともにそれぞれの間をきれいにしてあげてください。

それと、さらにフッ素塗布が可能ならこれに越したことはありません。

 

以上、これで完璧なわけではありませんが、できるところからやってみてはいかがでしょうか?

 

 

2008年7月22日

検診シリーズ③「虫歯治った?」

 これも検診の時期、多い話ですが、以前、治療したはずの歯なのに、また虫歯になることがあるかと思います。お母さん方からは「この前やってもらったところなのに…。」といいながら、こちらに冷たい視線が…。

 皆さんは、虫歯を治療したとき、「虫歯が治った。」と言われますが、「治った」というのは正確ではありません。正しく言うなら、「歯を修理した。」ということになるかと思います。つまり「治る」ということは、自然治癒力が働き、削っていないもとの状態に戻るということでしょうから、そういう意味では、歯は治っていないのです。

例えば、家が雨漏りしたらそこを修理すると思います。しばらくしたら、その修理したところからまた雨漏りが起こることがあると思います。それは修理すればその隙間が弱くなっているので、そこから再び雨漏りがおこるということです。歯も同じことが言えると思います。虫歯で削ったところは最後様々な材料でつめたり、かぶせたりしますが、そこにはどうしても目に見えない隙間や段差ができます。その隙間や段差は虫歯の原因である細菌にとっては大きなものですから、細菌は容易に入りますが、歯ブラシの毛先は、入りにくいということになり、十分な清掃ができなくなります。結果、治療したところから再び虫歯ができるという現象が起こってきます。これを「2次う蝕」といいます。

 歯はなるべく削らないほうがいいという根拠はここにあります。ただ、すでに虫歯になっている歯はもちろん削って治療したほうがそのままよりは寿命は長くなるわけですから、何でもかんでも削らないほうがいいというわけではありません。2次う蝕も対処がはやくきちっと治療をすれば、長くもたすことは可能です。

 大切なことは歯の治療をした後も、安心せず、虫歯にならないように注意することだと思います。

2008年7月14日

検診シリーズ② 「虫歯はすべて治療が必要か?」

 

検診で虫歯だとチェックされれば誰でも嫌だと思います。あ~ぁ、また削られるのか、痛いだろうなぁと考えれば憂鬱になってきますね。お母さんもお子さんに虫歯があると聞けばショックだと思います。ところで、皆さんは虫歯ならすべて削って治療しなければいけないと思われていませんか?実はそういうわけではありません。例えば、表面が白濁したCO(シー・オー)と呼ばれる初期の虫歯や、黒くなっていてもほとんど進行が停止した状態の虫歯です。こういう場合、経過観察もできるので、治療をするかしないかということは先生によって判断が分かれるところです。

治療するかどうかのポイントは口の中の清掃状態や虫歯の数、また普段のおやつや食生活などが参考になります。実費にはなりますが、最近では唾液を検査することにより、虫歯ができやすいか判定することもできます。そして、何よりも、いつも診療所に定期検診に来てくれているかが重要になってきます。定期健診に来られているお子さんは、もし虫歯が進行した場合でもすぐに対処できますので、なるべく削らずに経過観察で最小限の治療が可能になります。

ですので、歯科検診のとき、たまたま歯が汚れていれば、検診の先生は、そのときの判断で、虫歯ができやすい子だとしてすぐに治療すべきだと言うかもしれません。しかし、そのお子さんのかかりつけの先生が定期健診で十分にコントロールできると判断された場合は経過を見ましょうということになるでしょう。

以上、述べたように、初期の虫歯の場合、治療をする、しないの決定には虫歯がある、なしといった単純なことではなく、いろいろな因子を考えた上で判断されます。あの先生、この先生で言うことが違い、皆さんには混乱される場面があるかもしれませんが、最後はお子さんを一番見られているかかりつけの先生にアドバイスを受けるのがいいのではないかと私は思います。

2008年7月 4日

検診シリーズ①「虫歯といわれたのに」

 この時期、保育所、幼稚園、小学校など歯科検診の結果をもって、治療に来られるお子さんが増えてきました。その中で、検診で虫歯とチェックされているのに実際に見てみると虫歯がなく、まれにお叱りを受けることがあります。たいへん申し訳ありません。理由として考えられることは、学校などにおいて検診するとき、普段と違い、照明が不十分であったり、診療所では虫歯かどうかあやしいな?と思ったところはレントゲンですぐにチェックできるのですが、それが出来なかったりします。そのため、私なんかも検診のときそうですが、怪しいなと思うところは見逃すのが怖いので厳しめに見ていきます。つまり、怪しきものは罰していくというスタンスですね。その結果、検診では虫歯と判定されたけれども、実際は虫歯はなかったということがでてくることがあります。こうした考え方をスクリーニングと言います。学校検診で、歯に対する注意を促し、実際に治療が必要かどうかは歯医者さんで精密に診断してもらう、という二重のチェックが集団検診では重要ではないかと思います。私たちも正確にチェックするように常に努力はしておりますが、以上のことをご理解いただければと思います。

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